落語演ってきた「第六十五回仙台新撰落語会@東京エレクトロンホール宮城四階会議室」令和八年七月二十五日

本日は第六十五回仙台新撰落語会でした。

数日前から生憎の雨。気温が下がって過ごしやすく、また湿気もあるので喉の調子も良く稽古しやすかったのだけれど、正直この天候は客足に響く。せめてお客様がお家出るような時間帯だけでも晴れて欲しいと願って迎えた当日。
朝から雨ではありましたが、予想を裏切る数のお客様のご来場で、本当に驚きました。

約五十四名のお客様にお付き合い頂きました。
コロナ禍の休会以降では一番多い。
ご新規さんが多かったようで、普段お見かけしない方が多かった。私の高座の時「初めての方は…?」と問いかけたところ、だいたい十名くらいの方は手を挙げて下さったのかな? 私高座では眼鏡外してるので、正直正確には目視で確認出来なかった(入口で控えていた新撰落語会の仲間、数数えてなかったらしい。そこは数えて欲しかったな…)けど、ご新規さんが多く入るというのは有り難い。そこから「新撰落語会って面白そう」と思ってもらえれば常連客になって頂けるのだから。そうならなければ我々に魅力が無いという事なので、努力が必要なわけですけど。

今回珍しく客席にお子さんの姿がありました。基本シニアのお客様中心なので、やはり珍しい。夏休みだからかな。前半は短志〜白目〜左悪という激シブな流れなので、楽しんで貰えるかハラハラしましたが。

今回宣伝活動としては、河北新報の朝刊と夕刊の地域情報コーナーに今回の落語会の情報を載せて頂きました。掲載後、お二人の方から問合せのお電話を頂く事が出来ました。さすが地元紙。今回は河北新報さんのお陰でご新規さんの獲得に繋がったのだと思われます。
ただ、我々が配布している落語会のアンケートには「今回の落語会の情報を何で知りましたか?」「新撰落語会へのご来場は何回目ですか?」という項目は無いので、正確には分かりませんが。

前回のブログでも少し触れましたが、今回から正式に新規会員として入会された方がおります。前回のブログではお名前伏せておりましたが、お伺いすると芸名があるとの事で、今回改めてご紹介します。
お名前は成田家幸朝(なりたや・こうちょう)さんといいます。落語の出演ではなく、裏方スタッフとしての参加となります。
短志さんとは先生落語長屋時代の旧友で、幸朝さんは当時まだ大学生だったそうです。

この芸名は、仙台落語長屋、そして東北学院大学落語研究会二部(夜学)の創設者として名高い、吉原亭遊鶴さんにつけてもらった名前なんだとか。
当時、東北学院大学落語研究会二部では部員は基本「成田家(なりたや)」という亭号を使っていたようです。
となると、何故遊鶴さんは「吉原亭」なの? という疑問符も浮かびますが。

幸朝さんは学院大落研とはあまり関係が無く、ご出身は宮城教育大学なんだそう。亭号は学院大学落研から拝借したようですが、この「幸朝」は当時学校の先生を目指していた事から「校長」と掛けた洒落でついた名前のようです。

幸朝さん、本日は設営から受け付け、片付けまで八面六臂の活躍、滅茶苦茶有り難い。
頼もしい仲間が増えるのは本当に嬉しい事です。



今回開口一番は代表の山川短志さん「やかん」。短志さんお馴染みのネタで、今回私がトリを取らせて頂いたので「じゃあ自分は前座で」と。
ただ、私一番後ろで観てましたが、残念ながら所々声が聞こえない。マイク調整はしたけども、これが限界か。ちゃんと聞こえたらもっとウケたはず。


二番手目白亭白目さん「たがや」。夏の風物詩のネタ、朗々として、客席の反応も良い。


仲入り前は可亭左悪さん「お菊の皿」。こちらも夏らしいネタ。マクラだけ聞かせて頂き、自分の準備もあるのであんまり観られなかった。
今回は出演希望の方が少なかったので、三人目でもう仲入りに入っちゃう。トリの出番頂いてましたが、あんまりゆっくりは出来なかった。


クイツキ兼ヒザは水無月亭六六さん「一眼国」。前回もそうでしたけど、出身である古川弁バージョンの落語。昔は江戸っ子の感じで落語やってましたけど、最近はガラッと変えておられるのか。サゲのクライマックスに向けて大盛り上がりの高座でした。


私はトリで「徂徠豆腐」。
前回、そして今回もマクラでお話しておりましたが、この秋に仙台を離れ、故郷秋田に帰る事にしております。仙台も二十年以上住んでましたので、色んな思い出があります。特に仙台新撰落語会は、私にとって社会人落語の活動を継続する上でとてもお世話になりました。なので新撰落語会にまつわる思い出は沢山あるのですが、中で私が忘れられないのが東日本大震災当時の事です。
マクラで「思い出したくない人もいると思いますが…」とお断りはしましたが、今回はどうしてもお喋りしたかった。
震災後当時住んでいた家のライフラインが駄目になった時、私はしばらく親夜亭目ぼそさんのご自宅に住まわせて貰っていました。今日のマクラではその事に触れさせて頂き、「困った時、辛い時に手を差し伸べて貰えるのは嬉しい、そんなお話で締めくくらせて頂きます」と言ってから、本編へ。
この「徂徠豆腐」は本来冬のお話なんですが、こういったマクラもお喋りしたかった、という事もあり、この噺を今回ネタおろしさせて頂きました。

早めにこのネタに取り組んでいましたし、また今回は普段作らない台本も作って(普段は耳で聞くだけで覚える)、ネタおろしが上手くいくよう万全の体制で臨みました。
それでも、終盤入れなきゃいけない台詞一つ抜かしちゃいましたが。
とりあえず「百川」の時のような失敗はしなかった。

最後頭下げてお客様からの拍手を浴びた際、心の底からほっとしました。お付き合い頂いたお客様には本当に感謝申し上げます。
そんなに笑う所は無いし、でも落語としてやるからクスグリはあるし、でもこれで笑いを起こすのは自分には無理、難しいなぁと思いながら演っておりました。それでも何箇所か笑って頂けたので、最初不安が大きかったのですが、その笑い声・反応に背中を押して頂き、なんとか完走する事が出来ました。アマチュア落語はお客様に支えて貰う部分が大きいなと、改めて実感しました。私も頑張りますけど、お客様と一緒に楽しい落語の時間を作っていくんだな、と。

この「徂徠豆腐」、好きな演目でもありますので、秋田に帰ってからも高座に掛けていきたいと思います。

マクラでもお話しましたが、秋田に引っ越しますが仙台新撰落語会は退会しません。可能な限り出演させて頂きますし、出番が無くても裏方スタッフとして秋田から仙台に駆け付けるつもりでいます。
落語がもたらしてくれた御縁は大切にしていきたいと思っていますので。 

次回は十月三十一日。六十六回公演という事で、やはりあの方が主役の公演となります。

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