落語演ってきた「東北学院大学落語研究会創立六十周年記念落語会@東北学院大学土樋キャンパス九十周年記念館三階大ホール」2025/11/22

本日は東北学院大学落語研究会創立六十周年記念落語会でした。


この日のために、現役の学生さん、実行委員会のOB諸兄の皆さんは二年前から準備を進めてこられました。物凄く大変だったと思います。
私が大学二年生の時に落研の創立四十周年があり、その時は内々のパーティーと、当時落研の指導をして下さっていた翁家さん馬師匠と桂才紫さん(現・桂やまと師匠)をお招きしての、関係者だけ出席の落語会。当時は参加人数も少なく、簡単なものではありましたが、それでも大変でした。今回は記念品の準備や一般向けの落語会の企画やらで、私の時とは比べ物にならないくらい大変だったはず。
私は準備はほとんどお手伝いしておらず、当日の美味しいとこだけ頂いたような形で、本当に申し訳ない。

今回の記念落語会、ご来場頂いたお客様は述べ二百名超。十二時開演・十七時終演という長丁場の落語会でしたが、最初から最後までお付き合い頂いたお客様も多く、感謝しきりです。

会場となったホールはキャパシティ五百だったので、正直もっと埋めたかった。普段やらないんですけど、頑張って知り合いとか、最近ほとんど連絡取ってないような昔の知人とか、一度しか会った事ないような人にも案内をしまくりました。
これは落研二年生のこぐま君の影響、彼は集客のために知り合いに沢山声を掛けていると伺ったので、私も負けてられないと頑張りました。
頑張ったけど、なかなか難しかった。こういうのは普段が大事、急にお願いしても駄目。
でも久し振りに落語会に来てくれた方、初めて落研の落語会に来てくれた方も居て嬉しかった。仙台新撰落語会の美葉さんは山形から駆けつけてくれたし、白目さんは気仙沼から来てくれた。白目さんうちの落研の落語会に来てくれたの初めてのはず。前の職場の同僚とか。コロナ禍以降全くお会いする機会無かったお客様にも会えた。遊び心探求の会の石橋さんも、今回初めて落研の落語会に来てくれました。
どうしても都合が合わず来られなかったという方からもメッセージを頂いたり、そういうやり取りが出来た事はとても嬉しかったです。

会場となったのは、東北学院大学土樋キャンパス内にある九十周年記念館の三階にあるホール。この建物は一階に学食、二階に大学生協の売店があり、在学中は良く利用していましたが、この三階のホールは利用した事が無かった。


とても古いホールで、正直設備も古い。後ろの方の椅子は破れて座れなかったりしてたし、舞台袖には様々なコード類が散乱していてとてもお客様に見せられない状態、幕で隠してました。
音響操作も、事前のリハーサル時に四苦八苦。当日私音響担当だったのですが、ほとんど寝子さんにやって貰いっぱなし。細かいミスもいくつかあって全く役に立たない。こういうのもちゃんとこなせるようにならないと先輩面出来ない。

落語会の番組はこのように↓

一、北極亭こぐま「一目上がり」
一、半角斎みす太「弥次郎」
一、若阿々々亭寝子「猫と金魚」
一、迅力舎大八「二十四孝」
一、火消家はん生「紙入れ」
一、記念口上〜氷山亭清うち・若阿々々亭寝子・楽進亭瑠嘉・竹馬亭志ん友
一、時和亭兼成「錦の袈裟」
一、氷山亭清うち「死ぬなら今」
一、誕生亭桂喜「幇間腹」
一、頑張亭たい杜「阿武松」
〜仲入り〜
一、渡来庵杜来「牛ほめ」
一、剋家清生「旅行日記」
一、波慣家文好「ビデオメッセージ」
一、楽進亭瑠嘉「竹の水仙」



予定では現役三年生の黄亭花透音さんが口上の後の出番で出演予定でしたが体調不良でお休みでした。

以下、観ることが出来た方の感想など。

開口一番は現役二年生の北極亭こぐま君「一目上がり」マクラでほぐして良い立ち上がり。古典落語らしい演目と学生落語らしい演り方で、とても良い開口一番でした。やはりサラ口は奇をてらったものよりベタなネタのほうが良い。

OB五十四期生の半角斎みす太君「弥次郎」サラっと短く。短い時間でもちゃんと笑い取って、滅茶苦茶良い仕事してました。たくさん番組本数あるなか、ここテンポ良く進むとお客さんも安心するでしょう。

OB四十三期生、若阿々々亭寝子さん「猫と金魚」今日もやっぱり良い男。マクラからちゃんと沸かせて、噺のほうでもサイコパスな番頭とのやり取りが面白くウケてました。寝子さんサイコパスな目がちゃんと出来ていて、それがまた面白い。


OB十六期生、迅力舎大八さん「二十四孝」かなり久し振りの高座との事。学生当時の思い出がある演目だそう。声が太くて押し出しがある高座ぶり。
高座後楽屋で「落語って難しいな」そう仰ってましたので、少し悔やまれる一席だったご様子。でも、後輩が生意気ですが、この一言が言えるというのは挑戦したからこそでしょう。
楽屋に居合わせた替り家志ん喬さん「うん、難しいよ」とサラっと返事なさっていましたが、志ん喬さんくらい長く落語お演りになっていればこそサラっとそう言える。
大八さん、六十周年で久し振りに高座に上がると伺ってたので、実は十一月の仙台アマ落語夜の勉強会にお誘いしていました。ちょっと間に合わないというので、この時は無しになりましたが。久し振りの高座が六十周年の大舞台はプレッシャーもあったのでは。
実際に高座に上がる、落語を演るOBが多いというのは良い事だと思いますので、これをきっかけに大八さんも定期的に落語演って欲しいな。

OB三期生、火消家はん生さん「紙入れ」声も良く、高座慣れもしていてマクラでお客様しっかり沸かしていたのは流石。しかし、いかんせん長かった。これは裏話、持ち時間二十分予定のところ四十分も口演されていた。
今回出演者多く、また落語会が終わった後は場所を移動しての記念パーティーも控えていたため、予定時間通りに進行しないとけっこうまずかった。これまでの演者がテンポ良く進めてくれてたけど、ここで大幅に時間オーバー。これから後の演者は本来の持ち時間より短く演らなければならなくなってしまいました。
また、はん生さん喋り終わった途端たくさんお客様が席を立ち始めてしまいました。次の口上に期待感持たせて繋げるという意味では、やはり短くサラっと演ったほうが良かった。ここでお腹いっぱいにするのは如何なものか。落語会というのは各演者が良いバトンを繋げていく必要がある。落語は独りで演る芸だけど、落語会は演者全員で創り上げていくものでしょう。

合間に挟まって記念口上。一度舞台上幕を締めて口上の準備にかかりましたが、ここでけっこうお客様が席を離れた。たぶんトイレに行かれた方が多かった様子。
この口上に並んだ竹馬亭志ん友さんはこのために神戸から来仙。落研二期生、今回出演者の中で最年長。相変わらずエネルギッシュ。毎度志ん友さんに会うと「花茂芽乃たまごは何処行ったんや!?」と言われる。たまごさんは落研から初めて策伝大賞にエントリーした私より二つ下の後輩。志ん友さんたまごさんが策伝エントリーした時神戸から岐阜まで応援に駆け付けてたはず。そういうのもあって志ん友さんたまごさんの事随分可愛がってたけど、もう何年前のことやねん。
口上に並んだメンバーの掛け合いが面白く、お祝いの雰囲気が横溢するとても良い口上でした。

OB四十六期生、時和亭兼成くん「錦の袈裟」前回聞いた時の通り、どっしり大間。ひとつ完成させてきていると思います。
ここでも溢した。

清うち君、桂喜さんの高座は、自分の準備で観ていません。

OB五十六期生、頑張亭たい杜君「阿武松」。策伝大賞で東北勢初の入賞を果たし、東北学院大学落語研究会の名前を一躍有名にした功労者。三割くらいは観る事が出来ました。
まず高座姿が綺麗。最初彼が登場してお辞儀した際、後ろの音響室の離れたところで観ても、ぐぐっと惹きつけられるものがありました。
今日は彼目当てで来たお客様も多かったのでは。長丁場の仲入り前の出番、しっかり務めて落語会としての格を上げてくれました。

現役三年生の渡来庵杜来君「牛ほめ」時間押してたので仲入りは数分だけにしてさっさと始める事に。
着替えなどの準備が終わったので袖で観てました。彼も予定より時間短めに、でもクイツキとしてちゃんとお客さん沸かせて、彼も良い仕事してくれました。

私は「旅行日記」。前の杜来君がしっかり沸かせてバトンタッチしてくれたので、そういう点では安心して臨めました。袖では滅茶苦茶緊張してたけど。お互いの距離が近い、地域の集会所とかでの出前寄席では割とリラックスして臨めるんだけども。こういうホールみたいな所だと毎回必ず緊張します。けっこうガチガチで、袖で何度も何度も深呼吸してました。
兎に角早く終わらせないといけない、途中冗談落ちにして無理矢理サゲました。短く下りたいけど笑わせる事も諦めたくない、せめぎ合いでギリギリまでこのクスグリは抜く・抜けないを考えながら。笑って頂けたので安心しましたが、頭フル回転だし緊張はあるしで、凄い疲れた。

OB十六期生、波慣家文好さん。言わずと知れた七色の声を持つ声優・山寺宏一さんからのビデオメッセージ。
この日は名古屋で公演があり当日来られないからと、ビデオメッセージを送って下さいました。
どんな内容のものか、これは今日この日この場所に居られた人だけのもの、あんまり詳しくは書かないけど、文好さんのやぶ医者の小咄は、新入部員の指導用教材として落研に残すべきかも。
ビデオメッセージでしたけど、客席大いに沸いておりました。客席との呼吸とか、袖で聞いてて本人そこに居るのかなって錯覚してしまった。

トリは落研三年生、会長の楽進亭瑠嘉君「竹の水仙」。 片付けの都合があり、ほとんど観られなかった。でも来福さんと一緒に和室で稽古させて貰ったので、彼の竹の水仙は一度見ています。あれからクスグリ足した様子。トリの大役立派に務めて、お客様からたくさん拍手頂けて大団円。裏だと少し不安そうにしてたけど、高座に上がったら堂々としたもんでした。



そこから大急ぎで片付けて、今度は記念パーティー。こちらは内々のものなので詳細書かないけど、パーティーでは桂喜さん無双状態。滅茶苦茶盛り上がった。桂喜さんはほんとサービス精神旺盛。
落語会の時も、開場より早く到着されてロビーで待ってたお客様のお相手して、更には椅子の上で正座して「目薬」演り始めてました。サービスし過ぎ。


パーティーでは今まで交流無かった先輩ともご挨拶出来た。皆さん優しく接してくれました。また、こういう同窓会的な会だと色んな方の近況が知れて面白い。

この一日は濃密でとっても楽しく過ごさせて頂きました。東北学院大学落語研究会に感謝。


コメント

このブログの人気の投稿

落語演ってきた「第三回誕生日寄席@仙台市市民活動サポートセンター地下サポートシアター」2025/1/12

落語観てきた「えずこ寄席二◯二五 桂吉弥独演会夜の部」2025/2/16

落語演ってきた「仙台アマ落語夜の勉強会@仙台市戦災復興記念館五階和室」2025/8/15