落語観てきた「第一回これと落語会第二部@仙台市市民活動サポートセンター」2025/4/12

本日は第一回これと落語会、第二部を観に行ってきました。

仕事終わってから向かったので、第二部のみ。

番組は以下。

一、苺紅楼そふと「一目上がり」
一、戸田悠景「水神」
一、才家辺次太「野晒し」
〜仲入り〜
一、武田らこ「一文笛」
一、遊々亭つばさ「町内の若い衆」


苺紅楼そふとさん「一目上がり」。この方は東北大学落研のOGさん。お若いんでしょうが堂々とした佇まい。落語らしい落語で、少し硬い客席をマクラからちゃんと温めて、噺でもウケて、この後上がる演者は演り易いだろうなぁという、お手本のような開口一番。

戸田悠景さん「水神」。普段は役者さんをされている方。黒が基調のお着物は噺の事を考えてのコーディネートなのでしょうか。
まさか「水神」が掛かるとは思わず、びっくりした。今現役の噺家さんでも演ってる方少ないでしょう。菊田一夫が六代目三遊亭圓生のために書き下ろした新作落語。林家正雀さん、最近真打ち昇進された雲龍亭雨花さんも持ってるらしい。
良い世界観で、改めて観て「水神」良い噺だなぁと思いました。
第一部と第二部を通しで観た仲間の可亭左悪さん曰く「(どちらも「水神」掛けてたけども)第一部も第二部も、一言一句同じだった。つまりそれだけ稽古してきっちり仕上げてきた、じゃなきゃこうはならない」と大変驚いてました。

才家辺次太くん「野晒し」。東北学院大学落研の後輩です。社会人二年目のOB。私は彼が一年生の時出前寄席で一緒に落語演った事がありました。それからコロナ禍に突入、暫く会わなくなったけど、彼が四年生の時、現役が開催した「誕生日寄席」で久し振りに彼の高座を拝見し、それ以来。そんなに変わってなかった。誘い笑いをするのは癖なのかな。
表情豊かに賑やかな「野晒し」演り方としては正解。楽しい高座でした。

武田らこさん「一文笛」。第一部で掛けた「鹿政談」と迷って、「ライブ感を大事に」と客席にアンケート取って「一文笛」に。
マクラも上手、噺も上手い。
一つ、残念だったことが。あんまりこういうの書かない方が良いのかな、とも思うんだけども。仲入り後から、客席の中でずっとクチャクチャクチャクチャ咀嚼音が響いていて、とても耳障りであった。食事してたのか、ガムとか噛んでたのか分からないけど、地味に嫌な音が常に耳に入ってきてて、そのせいで正直しっかりと噺の世界に入り込めなかった。落語という芸は本当に繊細、特に「一文笛」のようにじっくり聴くような噺は、そういうノイズで台無しにされる。
携帯電話・スマホの着信音の他、こういう咀嚼音、ビニール袋のカサカサという音、隣の席同士の会話など、こういったものは、鑑賞にとって妨げになる。
あのノイズが無かったら、らこさんの「一文笛」ハマりまくって私泣いてたと思う。それぐらい良かったし、それぐらい残念であった。

遊々亭つばささん「町内の若い衆」。マクラで「『一文笛』はトリで演る噺…」と仰ってましたが、その通りでしょう。噺の格、内容等考えても、あれはトリに据えるべき。「一文笛」の後は演りにくい。
なんのネタにするのかな、と思っていたら「町内の若い衆」(笑)。らこさんが作り上げた世界観、噺の余韻なぞ全部吹き飛ばして台無しに!
でも、これはある種正解でしょう。だってあの「一文笛」の後なんの噺演るの? ってなったら、私でも「町内の若い衆」演るよ(持ちネタに無いけど)。
人情噺も良いけど、こういう下らない、酷い噺も落語、落語ってこういうもんなんだよ。そういうつばささんからのメッセージが籠められた高座…かどうかは分かりませんが。とても良かったです。

出演者のうち、戸田悠景さんと武田らこさんは普段役者の活動をされており、落語が主戦場では無い方。と比べて、他の出演者は落語がメインの方。アプローチの仕方なんかを見比べる事が出来て、勉強になりました。
でも、悠景さんにしろらこさんにしろ、選んだネタがとても良い、と思いました。
どちらも古典落語ではなく、新作落語。いかにもといった古典落語よりは、こういう作家が別に居る新作落語のほうが役者さんが取り組むには良いのだろうな、と思いました。一人語りをする場面もあり、また感情たっぷり込めても割と噺に障らないものだな、と、少し発見もありました。

色んな方の高座を拝見するのは勉強になり、また刺激になります。今日は観に行けて良かった。

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