落語演ってきた「第九回落語を楽しむ会貝ヶ森発表会@仙台市中山市民センター和室」2024/11/9
社会人落語サークル、落語を楽しむ会貝ヶ森の発表会でした。
一、剋家清生「一目上がり」
一、鈴の家孝幸「成金旅行」
一、嵐々亭嵐乱「紙入れ」
一、呑み亭一芯「禁酒番屋」
~仲入り~
一、可亭左悪「鈴ヶ森」
一、樋の家彩静「小咄」
一、泳ぐ家智昭「権助魚」
第九回目の発表会でした。
この「落語を楽しむ会貝ヶ森」とはアマチュア落語サークルでして、私は指南役としてお手伝いしております。皆さん毎月一回お稽古会を開き、私は生意気に色々とアドバイスさせて頂いております。
拠点にしている貝ヶ森市民センターさんが現在改修工事中のため、今は中山市民センターさんをお借りして活動をしております。
今日は三十三名のお客様にご来場頂きました。
想定では二十名くらいかな、と思っていましたので、慌ててセンターさんから椅子を貸して貰い増席しました。
仲入り休憩後も残って下さる方が多く、とても有り難かったです。
お客様が多いと緊張もしますが、やはり張り合いが出ます。
今日の日に向けて、会員がそれぞれ稽古を重ねて参りました。
私も、今回新しい演目に挑戦させて頂きました。
演目は「一目上がり」。
雪折れ笹や、近江の鷺は見難くの詩、七福神の宝船などがキーワードで出てきますので、冬、特にお正月の季節感がある噺かと思い、今からそのシーズンに向けて演りやすいよう、今回頑張ってネタおろししました。
参考にしたのは、入船亭扇遊、五代目柳家小さん、古今亭雛菊、三遊亭花金といった噺家さんの音源。他にも、この演目については資料が多く手に入ったので、たくさん参考にさせて頂きました。
開口一番、またネタおろしだったので、かなりドキドキしながらの口演でした。なんとか無事に完走出来たので御の字です。
途中、上に飾っていた手作りの看板が剥がれ落ちてしまうハプニングがあり、ネタよりもその時の方が笑いが起こってたのは少し悔しいけど。でも、なんでも良いからお客さんに笑って貰えるのは、結果良いことです。ということにしておきます。
「一目上がり」は噺の中に出てくるフレーズに人生訓のような面があり、勿論それが眼目の堅苦しいネタという事は無いのでしょうが、演っていて少し励まされるような気持ちにもなります。
八五郎が訪れる先々の町内の人達との関係が良く、明るく楽しく演れる演目でした。じっくり取り組んで大事にしていきたい噺です。
他の会員の面々も、一生懸命取り組まれていて、私も大いに刺激を貰いました。
鈴の家孝幸さんは「成金旅行」。
柳家金三さんの新作落語ですね。ノスタルジー漂う、昔の良い時代の滑稽な噺。孝幸さんの優しい雰囲気とまた良く合っていました。
嵐々亭嵐乱さんは「紙入れ」。
早い段階から台詞を覚え、普段の稽古会でもいち早くこのネタを掛けてきたので、兎に角練習量が断トツに多い。
まさに稽古百編、練習は裏切らないといった素晴らしい出来栄えの高座だったと思います。笑いも一番起きてました。
私も、日頃もっと練習するようにしないといけないと、身が引き締まりました。
呑み亭一芯さんは「禁酒番屋」。
お侍の貫禄や、酒屋の面々の感じは一芯さんに良く似合います。商家が舞台の噺が一芯さんのニンに合ってるんじゃないかと思います。また芸名にも現れてるように、お酒の噺はピッタリです。
可亭左悪さんは「鈴ヶ森」。
間抜けな泥棒の親分子分の滑稽なやり取り、クスグリ多めでしっかり笑いを取っていました。
樋の家彩静さんは「小咄」。葛根湯医者の小咄など。
彩静さんは御年九十二歳。小咄中心の高座ですが、社会人落語家としては現役最高齢じゃないでしょうか。落語に挑戦したのも九十歳を過ぎてから。凄いバイタリティです。
また、東京下町の生まれ、本物の江戸っ子、口調も落語にピッタリ。声は通るし愛嬌のある笑顔はお客さんを虜にするし、もう敵いません(笑)
トリは泳ぐ家智昭さんの「権助魚」。今回初めてトリをお願いしました。
発表会の出演順は私が決めさせて頂いております。なるべく同じ人ばかりがトリにならないようにしたほうが良い、と思っています。とは言え、会員それぞれ演りたい噺があり、噺にはトリに合ってるかどうかという格もあると思います。また、前回浅い出番だった方には、今回は深い出番にしよう等、出来る限りバランス良く番組を組もうと考えています。
智昭さんの「権助魚」、軽妙で押しつけがましくなく、楽しい落語でした。
ちなみに、嵐乱さん以外は全員本日がネタおろし。大変お疲れ様でした。
次回は来年五月頃。その頃には本拠地の貝ヶ森市民センターの改修が終わってますので、そちらでの開催予定です。
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