落語演ってきた「遊々亭つばさ無職家生活十五周年記念 おかげさまで落語会第二弾@仙台市市民活動サポートセンター地下活動シアター」2025/11/1

本日は仙台ほでなす会の遊々亭つばささんの芸歴十五周年記念落語会に参加してきました。


タイトルにある「無職家生活」は勿論洒落なんだろうけど(一応働いてはいます。今や仙台で蕎麦の名店となったところ)。
複数の演者が「無職十五周年おめでとうございます!…ってこれ本当におめでたいのか?」的な事をマクラで言ってクスグリにしてたのは、まあそうなるか。あんまり同じ角度のクスグリ続くのもどうかとは感じましたけど。

つばささん自ら企画して、各地からこれだけの演者が集まるのは流石。日頃のフットワークの軽さ、コミュニケーション能力の高さ、プロデューサーとして有能な証拠では無いでしょうか。

観る事が出来た各演者、以下感想簡単に。

雲鳴家丘割くん「愛宕山」相変わらず落語が上手い。開口一番じゃなければもっとウケてたはず。この落語会は性質上、真ん中くらいの演者が一番恩恵を受けるような形。主役のつばささん真ん中過ぎた辺りの出番だから尚更、お客さんもそこを目指して集まってくる。浅いところはまだお客さんの入りも薄かったし、勿論温まってもいない。少し出番で割食った印象。でも私好みで、とても良い高座でした。

六斎亭空念仏くん「いもりの黒焼き」彼の高座ちゃんと観るのは初めて。押していく感じ。「いもりの黒焼き」自体初めて観た噺なので、新鮮で楽しめました。

苺紅楼そふとさん「大安売り」ぐいぐい押さず、静かに落ち着いたトーンで話し始めて、それが功を奏したようにここでお客さんのウケがぐんと良くなっていきました。お客さんが「ちゃんと観よう」というような姿勢に変わったような、客席の空気が少し変わったように感じました。少し緊張もあったように見受けられましたが、丁寧に丁寧に。飛び道具的なのより、丁寧な落語のほうが浅い出番の時は良いのでしょうかね。

氷山亭清うちくん「擬宝珠」マクラしか観てない。「私もこの後出る清生さんも、東北学院大学落研で…」って、吠駆くんの事忘れてるぞ。

私は「旅行日記」今短い持ち時間で、更にこういうたくさんの演者が出るガヤガヤした落語会で勝負出来るネタはこれか「本膳」くらい。掛けられる時には掛けて、今固めているネタ。
十一分くらいの噺なんですが、今回の高座はマクラ含めて持時間十分なので、細かいところ端折ったり台詞整理して、七分から八分にまとめました。客席に居た左悪さんより、序盤スッキリして聴きやすくなったと感想を頂きました。コンパクト過ぎるかな、とも思っていたのだけど、これでも良いか。こういうアドバイス頂けるのは有り難いものです。

間雲亭吠駆くん「ちりとてちん」途中から。学生の時からあんまり変わってない印象、あの時点である程度完成していたということか。何回教えても貝の口が結べなかった子だった。

キサラカツユキさん「お血脈」不器用な感じもあれどそれもまた好感になる。サゲのあのクサイ芝居がかったやり方、あれ良いですね。

スマイリーチバ先生、腹話術、楽しい楽しい。何処で演っても盛り上がるネタ。明るくて穏やかで、素敵な人物。楽屋でお話させて頂きましたがお人柄が素敵。また会いたくなる方です。

中家すずめさん「鮫講釈」伯山リスペクトの講釈版。十年以上前に福島に呼んで頂いた事がありました。最近は落語より講談演られてるんですね。

ブックマークリリーさん、あのマリオネットの動き凄い。繊細。それに合わせた歌がまた素敵。とても素敵な空気感。

遊々亭つばささん「宮戸川」主役登場で会場の空気感が今までと違った。皆ぐぐっと期待して臨むような。
お後のらこさんとのリレーになる形。

武田らこさん「宮戸川・下」胸糞噺。こういうのお好きなんだろうなあ。

水亭稔保さん「熊の皮」あっさり軽く。最近熊の皮観る機会多いな。お陰で観比べる事が出来て面白い。私も熊の皮演ろうか。

抱返り亭勘助さん「田能久」喋り始めからぐっと引き込まれた。口調、声が良いから引き込まれる。上手い。噺でお客を引き込む力があるなら余計なマクラは不要、という高座。とても良かった。
勘助さんは仙台出身の方で、今は私の故郷でもある秋田県で落語の活動をされています。故郷にこういう方が居るというのは励みになります。

関大亭豆蔵さん「源太と兄貴」上方落語協会会長のお馴染みのネタ。面白かった。いくらネタが良くても演者の腕が無いとそれなりで終わってしまう、でも豆蔵さんとても良かった。しっかり笑わせて頂きました。

高木直子&高木みくさん、三味線民謡大盛りあがり。最後に秋田のお目出度い民謡聞けて良かった。

こいのすけさん「先駆け一代記」仲入り挟んでお客さん減っちゃって、後ろのバーの辺りの客がザワザワしてて、少し辛い状況だったと思います。口調爽やか、楽しい一席。
酒も回って緊張感の切れた長井亭あやめさんが客席でずっとお喋りしてて正直邪魔(笑)。

華楽葉壱舞さん「越冬」初めて瀧川鯉八さん観た時のような印象。不思議な新作。お客さん逸れてなかったのは凄い。ただ、申し訳無いが私には面白さが理解出来なかった。
この辺りから体力尽きたあやめさんが客席で寝始めました(笑)。

賀千家ぴん吉さん「転失気」時間の関係で端折った箇所がよくわかる。噺を詰めるという作業はそれなりに難しい。参考にしたのは柳家喬太郎の転失気。緩やかに古典落語の流れに戻しました。

葵家金太郎さん「藪入り」お父つぁんの演じ方がとても良かった。声、佇まい、トリにピッタリ。良い藪入りでした。

翌日仕事早かったので残念ながら打ち上げには不参加。これだけが悔やまれる。
色んなアマチュア落語の方と共演したり高座を観たりするの、刺激にもなるし、とても勉強になります。今回は良い機会を頂きました。


出番終わってから私も軽く一杯だけ。空きっ腹で呑むとすぐ回りますね。

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