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講談観てきた「神田松麻呂連続講談会『畔倉重四郎』@花座」2024/11/16

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神田松麻呂さんの連続講談会「畔倉重四郎」を観てきました。 午前の部 一、神田松麻呂「野狐三次『木っ端売り』」 一、神田松麻呂「畔倉重四郎~第五話『金兵衛殺し』」 ~仲入り~ 一、神田松麻呂「畔倉重四郎~第六話『栗橋の焼き場殺し』」 午後の部 一、神田松麻呂「畔倉重四郎~第七話『大黒屋婿入り』」 一、神田松麻呂「畔倉重四郎~第八話『三五郎の再会』」 ~仲入り~ 一、神田松麻呂「難波戦記『長門守木村重成の最期』」 初回となる前回は都合が悪く観に行かれず。 今回は第五話から八話目まで。前回までの話の粗筋を書いたものが配布されたので、前回不参加でも安心して楽しめました。 とは言っても、前回不参加だったのが悔やまれる、そんな会でした。とても面白かった! 次回以降通おう、と思ってはいるのですが、既に次回の一月の公演は都合が悪く観に行けないのが判明しているので、本日観終えてまた後悔。 畔倉重四郎が人を殺しまくる、その悪党ぶり、また残虐な場面も多く、思わず顔をしかめてしまう。でも面白いから引き込まれて続きが気になる。観たくなる。そんな感じでした。 嬉しいのは、物語に入り込めて、途中途中で映像がパッと目の前に浮かんだ。季節的には今はもう晩秋、だけど話の中では暑い盛り。金兵衛が殺される場面、真夏の夕暮れ、蛙の声がやかましい畦道の画。後は大黒屋の後家の伏し目がちな美しい様。これらが鮮やかに浮かびました。 落語や講談、話芸に浸る楽しみの一つはこういう体験がある事だと思っています。 午前の部の最初は「木っ端売り」。これから人殺しまくる話だから最初は明るい良い話を、とのことで。仕立屋の親方の意地の張り方が滑稽で面白く人情味ある一席。 でもマクラで仰ってた通り、その後このほっこりした雰囲気があっという間に消し飛ぶわけだけど。 午後の部は、最初に畔倉語って、仲入り後に「長門守木村重成の最期」。大阪まで出張って稽古して貰い、これから大事に育てていきたい話との事。 力が籠もっていて圧倒される。松麻呂さんに力尽くで物語の世界に引きずり込まれて、泣きそうになった。恥ずかしいから泣かないよう我慢したけど。滅茶苦茶に良かった。迫力もあったけど美しさも感じた。そんな一席でした。 本日は客席に左悪さんの姿が。左悪さんは九月の初回を観に行かれており、今回も参加。勿論午

落語演ってきた「第九回岩切おもしろ寄席@岩切市民センター体育館」2024/11/10

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本日は出前寄席に行ってきました。 岩切おもしろ倶楽部(IOC)さん主催の、岩切地区の一大イベント「岩切おもしろ寄席」に出演させて頂きました。 こちらは仙台新撰落語会の代表・山川短志さんの紹介で、可亭左悪さんと二人で行ってきました。 こちらの団体に短志さんのお知り合いの方が居られ、そのご縁でお話を頂いているそうです。コロナ禍前に、やはり短志さんから紹介され水無月亭六六さんと二人で出演した事がありました。なので私は二回目の出演となります。 洒落てるなと思うのがこちらの団体名。略名が「IOC」と、国際オリンピック委員会と同じ。これはわざとそうしているそうで、自己紹介する時「私IOCの〇〇です」と言うと相手も驚くし、また一発で覚えてもらえるんだそうです。 こちらは舞台設営が本格的。 会場は体育館ですが、きちんとステージがあり、また音響設備も良い。照明も下からのあおり用のライトがあったりと本格的。音響設備と照明はIOCさんの自前、またミキサー操作も自分達で行えるという、イベント会社のような仕様。 ああいうの見ると自分でも揃えたくなる。あちこち出前寄席行くなら、持ってても良いなと思っちゃう。 本日は最初に落語があり、その後地域の皆さんによる大喜利、最期に添田均さんというフランク永井の大会で賞を獲った方の唄のショーという構成。 落語は、こんな感じ。 一、剋家清生「一目上がり」 一、可亭左悪「道具屋」 昨日ネタおろししたばかりなんで、ネタ固めるためにも「一目上がり」を演りました。落語らしい噺なんですけど、こういう場所で掛けるには少し大人しいネタだったか。マクラでは笑って頂けたんですけど。 左悪さんは、最初「紙入れ」演るおつもりだったのが、客席に子供さんの姿があったので「道具屋」に変更。こういう臨機応変さは大事です。 地域の皆様、約六十人ほどに落語を観て頂いてきました。

落語演ってきた「第九回落語を楽しむ会貝ヶ森発表会@仙台市中山市民センター和室」2024/11/9

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社会人落語サークル、落語を楽しむ会貝ヶ森の発表会でした。 一、剋家清生「一目上がり」 一、鈴の家孝幸「成金旅行」 一、嵐々亭嵐乱「紙入れ」 一、呑み亭一芯「禁酒番屋」 ~仲入り~ 一、可亭左悪「鈴ヶ森」 一、樋の家彩静「小咄」 一、泳ぐ家智昭「権助魚」 第九回目の発表会でした。 この「落語を楽しむ会貝ヶ森」とはアマチュア落語サークルでして、私は指南役としてお手伝いしております。皆さん毎月一回お稽古会を開き、私は生意気に色々とアドバイスさせて頂いております。 拠点にしている貝ヶ森市民センターさんが現在改修工事中のため、今は中山市民センターさんをお借りして活動をしております。 今日は三十三名のお客様にご来場頂きました。 想定では二十名くらいかな、と思っていましたので、慌ててセンターさんから椅子を貸して貰い増席しました。 仲入り休憩後も残って下さる方が多く、とても有り難かったです。 お客様が多いと緊張もしますが、やはり張り合いが出ます。 今日の日に向けて、会員がそれぞれ稽古を重ねて参りました。 私も、今回新しい演目に挑戦させて頂きました。 演目は「一目上がり」。 雪折れ笹や、近江の鷺は見難くの詩、七福神の宝船などがキーワードで出てきますので、冬、特にお正月の季節感がある噺かと思い、今からそのシーズンに向けて演りやすいよう、今回頑張ってネタおろししました。 参考にしたのは、入船亭扇遊、五代目柳家小さん、古今亭雛菊、三遊亭花金といった噺家さんの音源。他にも、この演目については資料が多く手に入ったので、たくさん参考にさせて頂きました。 開口一番、またネタおろしだったので、かなりドキドキしながらの口演でした。なんとか無事に完走出来たので御の字です。 途中、上に飾っていた手作りの看板が剥がれ落ちてしまうハプニングがあり、ネタよりもその時の方が笑いが起こってたのは少し悔しいけど。でも、なんでも良いからお客さんに笑って貰えるのは、結果良いことです。ということにしておきます。 「一目上がり」は噺の中に出てくるフレーズに人生訓のような面があり、勿論それが眼目の堅苦しいネタという事は無いのでしょうが、演っていて少し励まされるような気持ちにもなります。 八五郎が訪れる先々の町内の人達との関係が良く、明るく楽しく演れる演目でした。じっくり取り組んで大事にしていきたい噺です

落語観てきた「仙台若手落語大X会@仙台市市民活動サポートセンター地下」2024/10/20

ほでなす会の遊々亭つばささん主催の落語フェス、仙台若手落語大X会を観に行ってきました。 一、雲鳴家丘割「幇間腹」 一、水亭念保「お見立て」 一、若阿若阿亭寝子「無免許運転」 一、千英「what’sてんしき?」 一、頑張亭たい杜「鍋草履」 ずっと座ってると本当に腰痛くなるし、明日も仕事なんで中座させて頂きました。ビール差し入れしたんで許して欲しい。申し訳ない。 手短に感想など。 丘割君「幇間腹」東北大落研の学生さん。上手い、そして面白い。すごい。 念保さん「お見立て」東北大落研のOBさん。こんなコンパクトに編集出来るの凄いな。 寝子ちゃん「無免許運転」学院大落研のOB。何度観ても良い男。自分で作った新作落語だそうです。良くウケてました。 千英さん「what’sてんしき?」実はうちの落研のOGさんです。途中で辞めたので名簿に載っていない方。 今日たまたま千英さんの学年一つ上の落研OB・扇斗さんがいらしたので、「昔からあんな感じだったんですか?」と訊ねたら「あれは後天的なものだ」との事。眉毛動かしすぎ(笑) てんしき、盃じゃなく酒のほうが確かにスムーズ。 ここまでが第一部。この後、ゲストでmocoさんの歌が入りました。脱サラシンガーソングライターなんだそうです。伸びやかな良い歌声、聴き入りました。良かった! たい杜君「鍋草履」以前私がたい杜君と一緒に出前寄席行ったとき、私がこのネタ演ったら「初めて観ました、良い噺ですね」みたいな事を言ってくれました。 たい杜君の「鍋草履」は、お富与三郎の芝居も入れて、また肉付け工夫がしっかりあって、完全に「たい杜君の『鍋草履』」になっていました。凄いね。 たい杜君で満足したので、申し訳ないけどここで中座。 他のアマチュアの方の高座観るのは良い刺激になります。

落語観てきた「春雨や晴太落語会~晴れたら良いね! 第二部@花座」2024/10/18

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花座で落語を観てきました。 春雨や晴太さんの独演会。十八時半開演の第二部に行って参りました。 一、春雨や晴太「ぞろぞろ」 一、春雨や晴太「後生鰻」 ~仲入り~ 一、春雨や晴太「厩火事」 今日は私お仕事があり、急げば十八時半開演の第二部は間に合う・けどバタバタするし疲れるから行くの止そうかな、と悩んでおりました。でも、ちょっと仕事で嫌な事があり、このまま一日を終えたくないと、結局観に行く事にしました。 結果観に行って良かった。晴太さんの優しい雰囲気の、また圧の少ない高座で良い気分転換になりました。 今回の公演では裏テーマがあったそうで、昔話ふうの噺を掛けようとお考えであった様子。 でも、第一部と掛け持ちで観に来ていたお客さんも何人かいらっしゃったようで、その兼ね合いもあり、第二部では恐らく予定に無かった演目を選ばれたような雰囲気でした。 「ぞろぞろ」は、駄洒落を連発するお婆さんを上手く使ってのクスグリがたくさん。こういう演り方は初めて観た。晴太さんのオリジナルなのかな。 「後生鰻」は今日がネタおろしとの事。鰻が口をパクパクさせている可愛らしい様が目の前に浮かびました。 「厩火事」おかみさんがメソメソしてなくて、明るい感じなのが良かったです。 マクラでは、先日閉店したひさごの話題。 カツ丼が有名な街中華・ひさご。花座ではよく出前を頼んでいたお店だそうで、私は噺家さんのマクラやSNSでその存在を知りました。 店主が高齢のため暖簾を下ろした事が地元テレビのニュースにもなり、話題になりました。閉店を知ってそれを惜しむお客さんが大勢押し寄せたとか。私も閉店前に一度行こうとしましたが「カツ丼なら今日の分はもう終わっちゃったよ」と言われ、残念ながら諦めた事がありました。 そのひさごが、閉店から間もなく「分店」という形で復活。店主から指導を受けた常連のお客さんが、前と全く同じ場所で復活させたのです。これもテレビのニュースで流れてました。 まさか全く同じ場所で復活するとは思いませんで、そりゃ驚かれますよね。 あとは、この会の翌日に独演会を予定している桂伸しんさんの話題。前々日から仙台入りされており、第一部では追い出し太鼓を叩いてくれた、その話をされてから、最後の「厩火事」のサゲが近づくにつれ高座袖が気になってしょうがない(笑) 伸しんさんも高座に登場し暫しフリー

落語演ってきた「出前寄席・長命大学『落語会』@長命ヶ丘市民センター」2024/10/17

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本日は、落語を楽しむ会貝ヶ森のメンバーで出前寄席。長命ヶ丘市民センターさんにて、こちらの老壮大学「長命大学」の講座の最終回の出し物として、三人で落語を披露して参りました。 一、可亭左悪「十徳」 一、剋家清生「家見舞い」 一、嵐々亭嵐乱「紙入れ」 落語を楽しむ会貝ヶ森は、貝ヶ森市民センターに登録してあるサークル。そのご縁や、代表の嵐乱さんが参加している市民センターの老壮大学で出来た繋がりで、仙台市内あちこちの市民センターさんで落語を演らせて頂いております。 本日伺った長命ヶ丘市民センターさん。今年の暮れから改修工事に入るため、年度の途中ではありますがこちらの老壮大学は今回が最終回との事。 最終回に我々の落語を選んで頂けたというのは光栄です。 参加されてきた地域の皆さんも、最後だからとたくさん集まって下さり、また積極的に楽しもうという姿勢の方が多く、本日はとても盛り上がりました。 開口一番は左悪さん「十徳」。オウム返しの前座噺でしっかり落語を楽しむ下地を作って下さいました。 次は私「家見舞い」。笑って欲しい所で大いに笑って頂けて溜飲が下がる思い。お客様に感謝申し上げます。 先日のOB迷人落語会が終わってからすぐに気持ちを切り替えて稽古に臨み、その中で少しは成果が出せるかな、と感じる事がありました。光明を見出した気持ちです。 最後は嵐乱さん「紙入れ」。とんでもない回数稽古して臨まれており、それをひしと感じる高座でした。稽古百編といいますが、それに勝る物はありません。 嵐乱さんは戌年生まれで、六年前の戌年の七十二歳の時に初高座でした。目標は次の戌年の、八十四歳の時に元気に高座に上がっている事だそうです。こういうお姿はとても刺激になります。 本日の「紙入れ」は、年齢を重ねた方じゃないと出来ないものがあると思います。新吉の翌朝の来訪のところで良い感じにウケていました。 今日は楽しく落語をさせて頂けて、大満足の休日でした。

仙台新撰落語会の思い出「都家東北」

都家東北(みやこやとうほく)さん。 仙台新撰落語会の先輩。 短志さんとは古い仲で、仙台新撰落語会の前身のよせよせ落語会の頃からのお付き合いとの事。 たしか早稲田大学の落研出身であったはず。 仙台新撰落語会が発足してからも何度か出演されているが、途中から参加されなくなった。色々と事情があったようで、その辺はあまり詳しく書かない。 東北さんに初めてお目にかかったのは第二回目の仙台新撰落語会。 当時私は大学生。私は仙台新撰落語会には学生の時から出入りさせて貰っていた。 落研の大先輩、山形の胃仲家百勝さん(いなかやひゃくしょう)が新撰落語会の創設メンバーでいらっしゃったので、そのツテで「お手伝いさせて下さい」とお願いして参加させて貰った。 東北さんの落語で私の記憶にある高座は「芝浜」「ろくろ首」。 東北さんの「芝浜」は、私自身が「芝浜」にチャレンジしようと決めたきっかけの一つでもあるので、印象に残っている。 また「ろくろ首」は、私も持ちネタにしていたが、私よりもはるかに面白い「ろくろ首」だったのでショックを受け、それでこちらも印象に残っている。 都家東北さんの仙台新撰落語会での口演記録は以下。 第二回(二〇〇六年六月二十四日)…「死神」「もう半分」。 私が初めて新撰落語会を観に行った時。トリの出番で、時間があるからと二席お演りになった。どちらも大きい噺で、二席続けて演っちゃうのに驚かされた。 第三回(二〇〇六年十二月九日)…「芝浜」。 第四回(二〇〇七年二月四日)…「抜け雀」。 第五回(二〇〇七年六月三十日)…「しじみ売り」。 第七回(二〇〇九年一月一九日)…「御慶」。 第八回(二〇〇九年五月三十一日)…「お富与三郎」。 第九回(二〇〇九年十一月一日)…「ろくろ首」(この回以外は全てトリでの出演)。 熱心な立川談志信者であり、高座拝見した印象としては志らくと談春を足して二で割ったような感じであった。 学生時代の淡い夢で、当時は私は落語家になりたかった。 今振り返ってみると、そこまで本気ではなく、ただなんとなく憧れていただけであった。落語家になるために何か行動していた事もなかった。 ただ、なんとなく新撰落語会の打ち上げの席などで、私が落語家に憧れているような話題は出ていた。短志さんなんかは「噺家は食えないから、『清生を噺家にしない会』を発足させよう」かなんか言っていた。 私が