落語演ってきた「出前寄席・イリーゼ八乙女様」令和八年九月三日
仙台ほでなす会の遊々亭つばささんのご紹介で、泉区八乙女にあるイリーゼ八乙女様という有料老人ホームにて落語を披露して参りました。
こちらはイベントに力を入れている施設だそうで、毎日慰問等のイベントがあるんだそうです。
今回のように直接慰問を受け入れている他、オンラインでのコンサートに参加するなど、かなりバラエティに富んだイベントが日々開催されているようです。
これは全国的にも珍しいケースなのでは。
私も高齢者施設で働いていましたが、このように毎日イベント・慰問を受け入れるというのは聞いたことがありません。
入居されている方からしたら毎日お楽しみがあり、また毎日違う刺激もあり、これは良いでしょうね。
落語の時間は約三十分程度とお話し頂いておりましたので、短めの演目二席申し上げました。
一、剋家清生「たらちね」
一、剋家清生「花筏」
いざ高座に上がってみると声の響きの程が良く喋りやすい。ただ、耳の遠い方も居るかな、と思いなるべく力を入れて喋っていたら終盤軽く喉やってしまった。ペース配分気をつけないと。
メクリは急遽思いついて設置したもの。台が無かったので、着物入れてるスーツケースに貼り付けてみました。
格好は悪いかも知れないけど、これアリかも。台忘れた時の緊急代替用として、使える。
こちらではつばささんを中心に毎週落語会をされているんだそう。なので聴いて頂くご利用者様も皆さん落語聴くの慣れていらっしゃる。
中で、特に落語が大好きという方がおり、終わった後「今日の噺の演目教えて!」と熱心にメモを取っておられました。この方が居たら過去の演目メモした楽屋帳要らないね。「あれ? 前回何演ったっけ?」と分からなくなったらこの方に教えて貰えれば良いんだから。
私まず一席目は「たらちね」。所々端折って十三分程度に短くまとめたバージョン。私の場合端折らないと二十二分くらいにはなる。
持ち時間の都合と、この短くしたバージョンに慣れておきたかったという私の都合と、軽い前座噺だし、オウム返しネタみたいに前半の仕込みからの回収という展開じゃないからご高齢の方でも聴いて貰いやすく、また音とリズムで笑い取る面もあるから楽しんで貰いやすいかな、という色んな思惑があり、こちらに。
二席目は「花筏」。ちょうどこの日は昭和の名人・六代目三遊亭圓生のご命日(と同時にお誕生日でもある)。じゃあ何か縁のある演目をと思い、圓生で覚えた「花筏」を選びました。
圓生で覚えた際、この台詞運びの言葉の無駄の無さに驚きました。最小限の言葉で次々場面が展開していく、何から何まで説明するんじゃなく、必要最小限の言葉でお客様の頭の中に場面や状況を浮かばせる、これが話芸か! と素人ながら感心した覚えがあります。台詞のチョイスだけじゃなく声の抑揚や演技、といった話術の技量が無いといけないんでしょうけど。ただぼんやり聴いているだけでは分からない、自分でも口演してみるからこそ分かるプロの凄さというのはあると思います。
噺の展開も面白く、提灯屋さんと千鳥ヶ浜の取り組みの様子をトントンと畳み掛けていく所、そしてサゲが効いているところ、喋っていて気持ちが良い。
老人ホームの慰問は、正直十年以上ぶり。
学生時代含め、昔はよく伺っておりました。
学生時代は、大学あてに老人ホームさんから「うちに慰問に来て下さい」と問い合わせを頂き、よく伺っておりました。
松島にある特別養護老人ホームさん、何度も行っているうちにそこの施設長さんが我々の落語見て「これなら俺にも出来そう」と落語覚えてやり始め、ついにはもう呼ばれなくなってしまった事もあったな。懐かしい。
社会人になってからは、落語を披露する機会が全く無くなってしまったので、私からデイサービスさんや老人ホームさんに電話して慰問に行かせて頂きました。このお陰で随分落語を口演する機会を頂けたし、また行った先で違う出前寄席のお客さんを紹介して貰った事もありました。
三十歳を機に転職し、老人ホームで働くようになってからは、「(競合はしないかも知れないけど)同業他社のボランティアをするのはサラリーマンとして如何なものか」という個人的な考えがあり、お話し頂いてもお断りするようにしていました。
私は八月半ばで勤めていた老人ホーム辞めたので、そういうしがらみも気にしなくて良いかと思い、今回お引き受けしたのです。
久し振りの老人ホーム慰問、お客様もしっかり聴いて下さり、本日は楽しんで口演出来ました。
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